【プロジェクトの紹介】
サモア政府が日本に対し、無償資金による旧橋の架替を要請した経緯として、旧橋が長年の塩害を含めた経年劣化により2002年より大型車輌の通行が禁止されており、且つ、2012年に当地を襲ったサイクロン・エヴァンにより旧橋の迂回路として利用されていた橋が通行不能になり主要幹線道路が機能しなくなったことが発端であります。
本工事は、既存橋の下流20mの位置に橋長75mのPC3径間連結プレテンション方式中空床版橋と延長約425mの取付け道路を建設するものです。下部工は逆T式橋台及び小判型壁式橋脚、基礎形式はいずれも場所打ち杭です。橋脚の施工を含め、河川内の施工は、安全面、止水対策を考慮し、乾期のみに制限されています。本工事の特色は、流木対策、塩害対策を考慮した橋梁形式を採用している点が挙げられます。まず、橋脚数を減らすため径間を20m以上とし、桁高を抑え塩分の付着を抑制するためプレテンション式中空床版橋を採用しています。また、耐久性を確保するためのエポキシ樹脂塗装鉄筋、PC鋼材の使用、シリカフュームを混和材とした高強度コンクリートを使用しています。実際の施工に当り、サモアの経済活動の好循環の実現に向けて、協力業者としてサモアの業者を採用し、日本とサモアの資機材の融合、日本人指導者の下技術の移転並びに雇用機会の創出にも寄与できたことで現地発注者、政府関係者及び地元住民から好評を得られたことが我々にとっての大きな喜びです。